株式会社近鉄百貨店(きんてつひゃっかてん、英称:KINTETSU Department Store Co.,Ltd.)は、日本の百貨店の一つ。近鉄グループの主要企業。本社・本店は大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43。大阪証券取引所第1部に上場する。株式コードは8244。
前身は1920年1月に創業した百貨店「丸物」(まるぶつ)をルーツとする旧京都近鉄百貨店と、近畿日本鉄道の直営百貨店部門から分離し発展した旧近鉄百貨店に分かれる。
旧京都近鉄の前身・丸物は、中林仁一郎によって創業。創業時は「京都物産館」という名前で、そのマーク(○の中に物産館の「物」)と他地域への出店とがきっかけになり1931年に「丸物」に改称。その後、最盛期には東京・池袋駅ビル(現在のパルコ本館)などにも東京丸物として店舗を展開していた。現在の枚方店も元は「枚方丸物」である。中林の死後経営が悪化し、近鉄グループ入りした。
最終的に岐阜店と本店の2店が残ったものの、経営状態は悪いまま推移した。本店については京都駅前に立地していることを意図した「FRONT KYOTO まるぶつ」のキャッチコピーが掲げられてきたが、1977年に社名・両店名とも「丸物」から「京都近鉄百貨店」に変更され、「FRONT KYOTO」のキャッチコピーもやがて消えた。なお、枚方丸物は京都近鉄百貨店とは別の「枚方近鉄百貨店」として近鉄グループ入りした後、1998年(平成10年)に近鉄百貨店に吸収された。
旧近鉄百貨店は、近畿日本鉄道の前身、大阪電気軌道の直営で開業した上本町店と、旧大阪鉄道の子会社で開店した阿倍野本店を基幹に、一時期はやはり東京・吉祥寺にも進出するなど、各地に展開していた。
しかし、遠隔地の店は経営状態が悪く不採算店を閉鎖、また京都近鉄百貨店は岐阜店を閉鎖、京都店もジェイアール京都伊勢丹の開業で業績がさらに悪化したため、「プラッツ近鉄」に業態変更したのち、2001年に旧京都近鉄百貨店と旧近鉄百貨店は合併した。
旧京都近鉄百貨店が旧近鉄百貨店を合併する形ではあったが、目的は経営が悪化していた上場会社の旧京都近鉄百貨店を、非上場の旧近鉄百貨店が救済する合併であった。合併時に、商号を「株式会社近鉄百貨店」に改めるとともに本店を旧近鉄百貨店の本店に移している。
2007年(平成19年)2月28日には、もっとも古い京都店が閉鎖となった(渡辺節設計の文化財級名建築であった建物は2007年秋に取り壊されており、跡地にヨドバシカメラが出店予定)。一方で阿倍野本店では本館を改築して新館の建設も進め日本最大級の店舗にする計画であり、上本町店も全館改装を行うなどの動きも見せている。
近鉄グループは三重県にある三重交通グループを傘下に置いている。三重交通の百貨店子会社であった三交百貨店は2006年12月30日に閉店したが、近鉄百貨店はその際、営業権の一部を譲り受け、三交百貨店が発行した商品券類の一部を、近鉄百貨店が発行したものとして取り扱う措置をとった。小売業業界における年収順位は381社中212位で業界内年収は平均より低い部類に入る。
年収タグ:
KINTETSUDepartmentStore
8244
ソーシャルブックマークに登録